洞窟探検
初めまして、今年の2月から地質館での勤務を開始しました西森と申します。
先月中旬、初めて小学生の洞窟探検に同行する機会を得ました。
佐川町内にあるその洞窟の山頂付近には幼少期に水晶のような石を拾った思い出があり、子供達にそのエピソードを紹介したところ水晶探しに行こうと乗り気の子もチラホラ。残念ながら時間を設けられず、その日は洞窟探検だけでスケジュールを終えました。
しかし、昔拾ったその石は本当に水晶だったのかを検証すべく、翌日、地質館学芸員森さんの現地調査に同行しました。
かなり、傾斜のキツイ坂を上ったり下ったりしつつ辿り着いた目的地のその場所がコチラ
現在では、一面いばらが群生する荒れた土地となっており、子供達が気軽に鉱物採集出来るフィールドではなく。おまけに、当時の記憶ではその辺に比較的多数散らばっていたそれらしき鉱物は一切見当たらず、皿の目でやっと発見したこれは・・・と思しき鉱物のひとつが下図
早速、森さんに鑑定して貰ったところ、水晶ではなく方解石(ほうかいせき)という名の鉱物とのこと。何でも、方解石は鉄などの硬い物で擦ると傷がつき水晶ならば同じようにしても傷がつかないんだとか。
また、方解石は炭酸カルシウムの鉱物であり長らく雨に打たれると徐々に溶けていくものらしく、幼少期に目にした方解石は、もしかすると雨に溶けて消えてしまったのかもしれません。残念ながら、今回は子供たちに夢を与えられる成果は得られませんでしたが、今後のフィールドワークの為の良い勉強になりました。
また、地質館スタッフの方々は元より、ご来館の皆様や化石採集等のフィールドワークにご参加下さるお子さん達からも多くを学び、自身を成長させてゆきたいと思っておりますので、これからよろしくお願いします。