生きている化石の味
生きている化石といえば、絶滅しかけている生き物のようなイメージがありますが、必ずしもそうではありません。
中には食材となるほど繁栄している生きている化石もいます。
九州や愛媛の海で採られている珍味、シャミセンガイも、生きている化石とされています。
シャミセンガイは腕足類と呼ばれる動物の仲間です。アサリなど二枚貝を思い起こす殻を持っていますが、実は二枚貝とは全く異なります。二枚貝の殻は左右に分かれているのに対し、腕足類の殻は上下に分かれています。分類的にも、軟体動物の仲間である二枚貝に対し、腕足類は独自の分類群に入れられています。
この腕足類、古生代には大繁栄したのですが、中生代以降は二枚貝の影に隠れてしまいました。それゆえ、今では生物学者よりも古生物学者によく注目されてる動物になっています。
佐川町では、三畳紀やジュラ紀の地層から腕足貝の化石が見つかっています。サカワの名前がつけられた腕足類もいます。
そろそろシャミセンガイの旬の季節なので、これを機会に味見をされるのも良いかもしれません。