陸の雪、海の雪
久しぶりに佐川町でも雪が積もりました。
この雪は、かつて「海の雪」と呼ばれたものの上に積もっています。
「海の雪」こと「マリンスノー」は、生き物の死骸が海底に降り積もる様を表現したものですが、この死骸の中には、放散虫というプランクトンの殻が混じっています。ある程度海が深くなると、他のプランクトンの死骸は溶けてしまって、珪素でできた放散虫の殻のみが降り積るようになります。
土佐湾に沈む放散虫(右側)
この殻が堆積してできた岩をチャートといいます。最初の写真で、雪が積もっている岩が、芸西村から運んできたチャートで、かつてのマリンスノーです。
チャートは、本来は無色ですが、それだけに中に不純物が混ざると、さまざまな色になります。芸西村のチャートは黒っぽいですが、さまざまな場所で堆積したチャートが流れ着く仁淀川の河原や桂浜には、色とりどりなチャートが並んでいます。
実際に海の中でマリンスノーを楽しむのはなかなかハードルが高いですが、仁淀川や桂浜では、マリンスノーが私たちの目を今でも気軽に楽しませてくれているのです。
特に今日なら、陸の雪と一緒に楽しめますよ!
地質館の展示。右上側が吉野川の河原、左上側が仁淀川の河原の石を並べたもの。仁淀川の河原がカラフルなのがわかります。
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