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2021年4月

2021年4月30日 (金)

山頂で潮干狩り

高知市の小学生が、地質館の見学と化石の発掘体験のために佐川に来てくれました。

1時間ほど地質館を見学してもらった後、工事現場近くの発掘現場に。

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発掘現場の山の上まで歩いて登るのは大変でしたでしょうが、この場所からの眺めは最高です。

そしてこの場所で見つかるのは、主にモノチスという貝化石。恐竜が誕生した頃の海にいた二枚貝です。

昨日までの雨のおかげで、石も柔らかくなっており、割と簡単に石が割れました。

みんな目を輝かせて貝化石を掘ってくれました。雰囲気的には潮干狩りに近いものがあったかも?

 

今回の発掘体験にあたり、道を整えていただいた建設会社の方、並びにご指導いただいた方に感謝を申し上げます。

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2021年4月17日 (土)

北と南から

 この4月に佐川地質館に新しく学芸員として赴任してきました森と申します。

四国の北隣の広島県生まれで、北極圏の近くにあったアラスカ大学を卒業後、これまで九州や愛知で学芸員として働いてきました。館内の標本の確認、ウェブサイトの更新など、すべきことが多くてパンク気味ですが、早く仕事に慣れるべく努力していきたいと思います。

 

先日、ある方からなぜ佐川にカルスト地形があるのかという質問を受けました。

 

佐川の大地は、太平洋のプレートによって南から運ばれてきた土砂からなっています。南方にあったサンゴもこの土砂の中に巻き込まれて運ばれてきました。このサンゴなどの石灰分が溶け出してできたのが鍾乳洞やカルスト地形です。佐川ではナウマンカルストや不動が岩屋洞窟が有名ですね。

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佐川町からは、石灰分が溶け出す前のサンゴの化石もたくさん見つかっています。

 

ここで、地質に興味をお持ちの方は違和感をお持ちになったかもしれません。日本列島に沈み込んでいる太平洋のプレートは、主に東から西側に移動しています。それならなぜ、佐川に南から来た土砂や化石があるのでしょうか?実は、プレートの沈み込む方角が4000万年ほど前に北北西から西北西に変わったのです。当然、それより前に佐川の地に到達した土砂には、南方起源の生き物の化石が含まれます。

北からやってきた私が南からやってきた化石を扱うのも、巡り合わせかなという気がしています。

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